アナグマ

真白にぞプール日和の雲立てり

この三連休は家族でのプール行には最高の天気だった。

この熱波と言っていい天気では、外で遊ばすにはあまりに危険が多すぎる。かと言って、あちこち連れ歩くのもまた危険。
となると、手短かに近くのプールがいいとなる。
連休中近所でも小さいお子さんがいる家庭では、町営プールに出かける姿を見かけた。
ただ、油断すると紫外線によってダメージがあり、しかもその紫外線が昔の比ではないほど強いので用心にこしたことはない。
プール遊びは半日でも十分疲れるものだから、午前中の比較的紫外線が弱い時間にすませ、午後からは午睡で体力回復。
プール遊びで家族サービスするお父さんも大変だがそれも今のうち。やがて子供たちは友だち同士、自分たちだけで遊ぶようになる。
暑い夏はこれからが本番。せいぜい一緒に遊んでやることだ。
歳とって日焼けするのはガンになりやすくなって危険という。昼間はアナグマのように家にいるのがよさそうだ。

散漫

滴りて苔を一脈走りけり

水一滴が貴重な季節。

体が感じなくても水を十分に摂れという。とくに齢とってくると体温が上がっていても鈍感になるので自分では気がつかない危険が忍び寄っているらしい。そのせいか、意外にも室内での熱中症が外よりも多いというデータもあるようである。
昨日、今日あたりは今年一番の暑さ。
昨日はぼうっとしていたわけではないが迂闊にも鎌で指を傷つけてしまった。さいわいたいした傷ではなさそうだが、やはり注意力が散漫になっていたのだろう。
畑では西瓜がごろごろ生ってきて、あと一週間もすれば初収穫となりそうである。そうなると、また冷藏庫に入らないなどの騒ぎになりそうだが、素人菜園とはそんなもの。旬を迎えた野菜たちはこちらの都合にいっさい関わりなく好き勝手に実を生らせていくものだ。
いまのところ胡瓜もがぶりと噛めるし、野菜をおいしくいただけるのはありがたいことである。

落穂と雁

逍遥の彼の径消ゆる出水かな

典型的な梅雨出水が西から北へ猛威をふるっている。

被害にあっている秋田の広大な米どころを流れる雄物川は私の好きな川である。
平野部に出るとおおきな高低差もないので、無機質なコンクリート護岸も見られず、川幅たっぷりに豊富な水がとうとうと流れるさまにはなぜか懐かしささえ覚えるのである。
その雄物川がいま氾濫の怖れがあるという。
もし氾濫となると稲作地帯に甚大な被害をもたらしはしないか、それが心配である。初冬には北から渡ってきた雁や雁が落ち穂をつついていたりする光景も懐かしい。
すでに右岸側の太平川によって秋田市内中心部に大きな被害をもたらしているが、これに加えて雄物川まで氾濫となるとさらに被害がひろがる怖れがある。
このまま、水が引いてくれるよう祈るばかりである。

体を冷やす効能

菜園の手筈思案の朝ぐもり

この日を逃せばもうチャンスはない。

一昨日は雨で中断。昨日はガス欠。
ホームセンターで刈払機のガソリンを買って準備万端。
朝起きたときはいわゆる朝ぐもりで、今日の熱波が間違いない条件。
あとはいつやるか。午前中は留守番もあってタイミングを逃したので、夕方日が沈む前のかぎられた時間帯を狙うしかない。
意外に曇の時間帯が長くて午後から日が出てきたときはもう地獄。とても炎天に立ってられない。
五時から六時の短い時間を狙っていざ出勤。
次回は八月下旬頃だろうか。その次は秋。
今日も夏野菜をいっぱい収穫して、冷藏庫は満タン。というか、もうあふれている。
体を冷やすという旬の野菜を三食にいただいて、体調も悪くない。

濃淡

新聞の束ね緩みて梅雨最中

今日は資源塵の日。

新聞、雑誌、段ボールなど街角の所定の場所に積み込んで回収を待つ。
しっかり縛ったつもりだが、その重さゆえか束ねる紐がゆるんでなんともバランスが悪い。
何回かに分けてかろうじて持ち込んだものの、作業員の方には苦労かけたことだろう。
折しも日本海側では梅雨終盤の豪雨が西から東へ大きな被害をもたらしながら移動している。
太平洋側は梅雨が明けたも同然の状態だが、近年は豪雨がもたらす災害地域の濃淡が激しく、明日は東北地方が過去にない規模の災害が出るかもしれないと警戒を呼びかけている。
極端な傾向にある気候の先が気になる。

夏と言えば蝉

初蝉や朝の景色の新たなる

ようやく聞いた。

遠くで蝉で鳴いている。
庭で鳴かれると鬱陶しいものだが、遠くで鳴く分にはようやく夏が來たという思いに包まれる。
自分にとってやはり蝉は夏そのものなのである。
この蒸し暑い梅雨が明ける頃には庭にも出現して、いよいよ騒がしい夏の到来となろう。
ただ、近年は油蝉を見ることはすくなく熊蝉ばかりなのが気がかりである。
子供たちが小さい頃蝉取りをしたのはほとんどみんな油蝉だったのが、今となっては懐かしい。

目の敵

杖をもて田水の沸くをかきまはす

昼間はよほどのことがないかぎり外へは出ない。

ニュースでは草取りをしていてお決まりの熱中症で救急車で運ばれたり、亡くなられたり、このところ毎日のように聞く。
たしかに今年は雨がよく降るので草の伸びが驚異的で、昔から雑草を目の敵としてきた人たちにとってはじっとしていられないのだろう。
どうしても行かなければならない時は、飲料の携行、休憩をこまかにとるのは当然として、なるべく単独にならない時間を狙うことも大事である。この時期日の盛に畑作業するひとなどいないだろうから、朝夕なら誰かがいるかもしれない。
夕方になって日中の暑さから解放されて散歩するひとがぽつぽつと増えてきた。田圃の生きものが気になるのかしきりにのぞいては杖で確かめている光景もあった。いくらか涼しい時間帯になると周りにも関心を抱くようになるものだ。