紫陽花やどちらともなく傘かしげ
今頃は明月院の石段の両側は見事な紫陽花に飾られていることだろう。
紫陽花は雨が似合うとはいうものの、この石段で注意しなくてはいけないのは他人への思いやり。傘をさしたまま行き交うには狭すぎるので、ただでさえ花が雨露をふくんで重く垂れていたりして、さらに裾が濡れてしまうからだ。
江戸しぐさのひとつともいえる「傘かしげ」など今ではもう忘れられてしまったように思うが、ときにどちらからともなく、さりげなく行われたりすると、ああまだ大丈夫だと安心するのである。
当地でも紫陽花の名所は多いが、矢田丘陵の矢田寺あたりは近くて一度は行ってみたいところだ。

